最高裁判所第一小法廷 昭和51年(オ)1014号 判決 1978年3月30日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
上告代理人前田常好の上告理由第一点について
所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし、首肯するに足りる。右認定事実のもとにおいては、本件贈与は、民法五五〇条の関係では、遅くとも本件係争地の実測図が被上告人に交付された時にその履行を終つたのと同視すべき状態となり、その後に同条に基づいてこれを取消すことは許されないものと解すべきであり、原審の判断は、結論において正当として是認することができる。原審の右認定判断の過程に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
同第二点について
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、独自の見解に基づいて原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 団藤重光 裁判官 岸 盛一 裁判官 岸上康夫 裁判官 藤崎萬里 裁判官 本山 亨)